ヨーロッパで自動車運転免許を取得するのと日本で取得するのとでは、結構な差があるようです。
息子が18歳になり、免許を取るために勉強中なので、イタリアでの免許取得のために必要なことなどをいろいろと調べてみました。
目次
教習所か自分で練習?
日本では、教習所に行かなければいけないという義務はないとはいえ、95%以上の人たちが教習所へ行って自動車運転免許を取得していますが、イタリアの教習所は、日本の様に実際に車を運転を練習するためのコースがなく、学科の講習やテストをするための個室が受付以外に一部屋あるのみの小さなところが一般的です。
練習コースがないため、初っ端から公道を走ることになります。。。(もしくは全くの初心者の場合は、教官が安全なところまで運転して行って始める)
安全なところまで共感が運転してくれるとは言え、かなり恐怖ですよね。。。しかも、運転して行った場所からのカウントではなく、教習所から出たときから1時間のカウントが始まるので、最初の最低限車を動かすくらいの技術は持っておくと、かなり節約になります。
運転の練習は義務付けられている6時間では到底運転できるようになれないため、費用をなるべく抑えるために、事前に家族や友人に車の運転を教えてもらってから、教習所へ通い始める場合が多いようです。
節約のため、家族や友人に運転技術を教えてもらい、自分で学科の勉強をして、
AUTO SCUOLA(アウトスクオラ)と呼ばれる教習所へ直接、学科と実地の試験をする人もいるようです。
割合的にどのくらいいるか地域によって変わってくると思うのでわかりませんが、
一昔前よりも免許取得の法律が厳しくなっているので、最近では教習所へ通う人が多くなっているようです。
私の知り合いの女の子は学科を2回落ちてしまい、
「次落ちたら最初からになるから、絶対受からないと!」と戦々恐々としていました。
彼女はめてだく無事、3度目で受かることができました。
イタリアの自動車教習所の内容と料金(2021年02月現在)
近所のAUTO SCUOLAへ3件聞きに行った際の料金が、基本的な講習のパケット価格で、大体平均で800€前後が相場。
イタリアの免許取得のためのパケット内容
パケット料金が用意されていて、その中に含まれているものは、
- 入会金
- 学科授業
- 学科試験(1回分)
- 6~8時間の運転実地練習(教習所による)
- 運転実地テスト(1回分)
外国人には、筆記試験の時は辞書を持ち込んでもよく、どうしても質問内容がわからない時は質問をしてもよいところもあるようです。
その他のことにかかる金額
教習所に通う場合、確実に必要になってくる金額
- 教習教科書+問題集+APP 20€(APPなし10€)
- 教習所属宅の医師の診断書 25€
- 運輸省などへの税金16€+16€+16€+26.40€=74.40€ (教習所によっては7.12€の郵便税)
- Foglio Rosaと呼ばれる仮免証明書2枚分 50€
場合によってかかってくる追加料金
こちらも教習所によって値段設定が若干変わってきますが、大体下記の通りです。
- 運転路上練習 1時間につき(45~60分 教習所による) 25~39€
- 再試験費用 学科:60€ 運転:100~110€
教習所料金は一括?それとも分割?
教習所によると思いますが、息子が行っている教習所は3回に分けて支払うとのことでした。
一括で払ってもいいとは思いますが、仮に教官と合わなかったとか何かの事情で通えなくなった場合、段階的に払っておいた方が払った分だけで済むので、分割で支払うのが普通のようです。
- 第一回目の支払いは200€+運輸省などへの税金(16€+16€+16€+26.40€=74.40€ (教習所によっては7.12€の郵便税))の払い込みで申し込みが完了します。
- 第二回目は学科試験が終わり、実地練習が始まる前に200€支払うとのことです。
申し込みに必要な書類
- 証明写真(ICAO)
- 有効なCARTA D’IDENTITA’ と CODICE FISCALE のコピー一枚づつ
- CERTIFICATO ANAMNESTICO(ホームドクターからの証明書)
- 外国人の場合:有効期限内の滞在許可証のコピー 裏と表1枚づつ
学科試験は合計3回まで
学科に受かるまでの回数は、合計で3回までなので注意が必要です。(再テスト2回まで)
もし、3回目で落ちてしまった場合は、もう一度最初から学科の授業の受け直し
日本の免許証からイタリアの免許証への変更手続きについて
私は20年以上前に日本の免許証をイタリアの免許証へ変更しました。
今は変更可能のようですが、その時によって、出来たりできなかったり規定の変更が結構頻繁にあるようで、私がイタリア免許を変更のみで取得した数年後に申請した日本人の友人は規定が変更され、日本の免許証からイタリアの免許証に変更ができなかったため、教習所に一から通って免許を取得していました。
詳細は在イタリア日本大使館のサイトに載っているので、参考にされるとよいと思います。
平成15年9月29日、日・イタリア政府間で運転免許相互試験免除に関する取極が締結されたことに伴い、イタリア政府は同年10月29日より、日本の運転免許証からイタリアの運転免許証への書換えを開始しました。書換え申請は、各県陸運事務所( Motorizzazione Civile ) のほか、アウトモービレ・クラブ( Automobile Club ) 、自動車学校 ( Autoscuola ) 等手続き代行機関で行うことが出来ます。
ただし,イタリアでの住民登録が4年以上経過してしまった方の日本の運転免許証からイタリアの運転免許証への書換え手続きは出来ない規定がありますので,ご注意下さい。
提出書類等の申請手続き及び基準については、イタリアの取扱機関により若干異なる点があるとのことですので、各申請先に必ずご確認ください。在イタリア日本国大使館のサイトより引用
https://www.it.emb-japan.go.jp/itpr_ja/ryoujijouhou_menkyo_kakikae.html
その他必要書類などの詳細は上記のサイトに掲載されています。
日本の免許証から切り替えたイタリアの免許はイタリア国内のみ有効
通常、イタリアで免許を取ると、EU加盟国で通用するのですが、日本の免許証からイタリアの免許証に書き換えた場合は、イタリアの国内しか通用しません。
仕事などで国境を超えることが多いなど、現地で免許を取った方が良い場合もあります。
国際免許は1年のみ有効
旅行や短期留学時に国際免許証を取ってから、出発する方がいらっしゃいますが、
国際免許証の有効期限は1年間。
1年間の間は何度海外に行っても使えますが、使用後や期限が切れた国際免許証は
近くの警察署へ返納しなくてはいけないので、ご注意くださいね。
バイク免許について
イタリアのバイクと聞くと真っ先に思い浮かぶのは「Vespa(ヴェスパ)」ですね。
ローマの休日で二人乗りをしてローマの街を走る姿はとても印象的です。
そのシーンを再現したくて、バイクをレンタルする観光客がたくさんいると聞きます。
一昔前のイタリアでのバイク免許は、昔は50ccバイクでもヘルメットなしで2人乗り、3人乗りなんかしているのを見かけましたが、事故が多発し2004年からは、バイクの免許とヘルメット着用が義務づけられました。
ペダル付きバイク モペッドも特定の免許はなく14歳から17歳でも乗ることができたのですが、現在は筆記試験を受けて免許を取得する必要になりました。
イタリアの教習所と運転免許取得に関するまとめ
教習所によって多少の差はありますが、自主練をしたうえで大体総額1000€あれば免許取得できる相場になっています。
ただ、パケット金額の中には6~8回しか車に乗る金額が含まれていないため、日本の教習所の様に何度も車の運転実地練習をすればするほど、料金は上がっていきます。
安く済まそうと思えば自力で運転を覚え、最終テストだけ受けることも可能ですが、ちょっと厳しそうですね。